| 中世文学会創立50周年記念展示
和歌と軍記 |
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| 〜ご紹介〜 |
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本学文学部は、昨年度40周年を迎えました。
2005年5月 文学部日本文学科 ※この解題は、高田信敬、中川博夫、堀川貴司、伊倉史人、石澤一志が担当しました。 |
| 〜展示リスト〜
I 歌 書 1 新古今集断簡(伝藤原為家筆) 鎌倉時代中期写 軸装1幅 2 新古今集断簡 西山切(伝高倉清範筆) 鎌倉時代中期写 軸装1幅 3 新勅撰集断簡(伝二条為氏筆) 鎌倉時代後期写 軸装1幅 4 玉葉集断簡(伝後醍醐天皇筆) 南北朝時代写 軸装1幅 5 風雅和歌集断簡(尊円親王筆奏覧本) 南北朝時代写 1葉 6 閑谷集断簡(伝寂蓮筆) 鎌倉時代前期写 1葉 7 大慈八景詩歌集断簡 畠山切 南北朝時代写 1葉◎ 8 新古今和歌集 巻八 零本(伝後醍醐天皇筆) 鎌倉時代後期写 巻子1軸 9 新古今和歌集(上杉鷹山・伊佐早謙旧蔵) 室町時代中期写 袋綴4冊 10 新勅撰和歌集 上(伝後伏見天皇筆) 鎌倉時代末期写 列帖装1冊 11 新勅撰和歌集 下 鎌倉時代末期写 列帖装1冊 12〔定家卿百番自歌合・家隆卿百番自歌合〕 室町時代末期写 袋綴1冊 13 時代不同歌合 室町時代後期写 列帖装1冊 II 軍記と周辺 14 平家物語 零本 室町時代末期写 袋綴2冊 15 平家物語 江戸時代前期写 袋綴12冊 16 異本平家物語断簡 長門切(伝世尊寺行俊筆) 鎌倉時代末期写 3葉 17 曾我物語 零本 室町時代末期写 袋綴4冊 18 曾我物語 蒔絵箱入 江戸時代初期写 袋綴12冊 19 曾我物語(伝飯尾常房筆) 江戸時代前期写 列帖装12冊 20 八幡愚童訓断簡(後崇光院筆) 室町時代初期写 1葉◎ 21 御成敗式目 鎌倉時代末期写 袋綴1冊 ◎=個人蔵
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| 〜解題〜 |
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I 歌書 1 新古今和歌集断簡 (伝藤原為家筆) 鎌倉時代中期写 軸装1幅
![]() 内曇料紙を用いた伝為家筆新古今集断簡には、四半切1種(古筆学大成10)・六半切1種(古筆切目安)が知られており、掲出の切はいずれとも一致しない。 藤原為家(1198〜1275)の筆跡ではないが、ほぼ同時代か若干下る時期の書写であろう。 |
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2 新古今和歌集断簡 西山切(伝高倉清範筆) 鎌倉時代中期写 軸装1幅 白斐紙(縦16.5、横9.7糎)に巻十羈旅900・901を写す。 原態は縦17糎、横16糎程度の列帖装升型本で、毎半葉10行ほどに書写していたが、掲出の断簡では7行を残す。
新撰古筆名葉集には「石山切」とあるが、古筆家伝来の手鑑『藻塩草』に従って「西山切」と呼ぶ。ツレは巻十以降に限られ、上下2冊分写のうち下冊が分割されたのであろう。まま見かける金銀泥の下絵断簡は、後世の描き加え。 小品ながら力強く個性的な風貌を備え、鎌倉時代前期にその書写年代を遡らせて考える研究者もある。 伝称筆者高倉清範(?〜1221〜?)は明月記にもしばしば登場する能書家で、その女に河内本源氏物語夢浮橋書写を依頼された禅尼がいる。 |
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3 新勅撰和歌集断簡 (伝二条為氏筆) 鎌倉時代後期写 軸装1幅 中心に折れ目のある斐紙(縦23.1、横13.9糎)を用いるが、原態は列帖装 四半本。手沢から見て丁のウラ面。巻十七雑二1175・1176を8行に写す。新撰古筆名葉集為氏の項に「同(四半) 新勅撰歌二行書」に該当する名物切。
二条家の祖藤原為氏(1222〜1286)の筆と伝えるが、少し下った頃の写しか。藤井隆・田中登『国文学古筆切入門』28にツレが掲げられる。古筆了音(1674〜1725)の極札を添え、その裏の「癸巳九」は正徳3年(1713)9月の鑑定たることを示す。 |
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4 玉葉和歌集断簡 (伝後醍醐天皇筆) 南北朝時代写 軸装1幅 斐紙四半切(縦24.5、横14.4糎)に巻十八雑五2508〜2510(詞書)を8行書写。本文は吉田兼右本と差がない。付属の桐箱蓋裏に「後醍醐天皇」と墨書した紙片を押す。 古筆名葉集の類には記事のない切だが、古筆学大成11にツレ1葉を掲げる。闊達な書風は伝後醍醐天皇筆拾遺集香具屋切と似ており、それを根拠に掲出の断簡も伝称筆者を後醍醐天皇としたのであろうか。時代相応の鑑定であり、伝京極為兼筆長柄切と並ぶ屈指の本文資料と言えよう。 5 風雅和歌集断簡 (尊円親王筆奏覧本) 南北朝時代写 1葉
6 閑谷集断簡 (伝寂連筆)
鎌倉時代初期写 1葉
7 大慈八景詩歌集断簡 畠山切 南北朝時代写 1葉 ◎
8 新古今和歌集 巻八 零本(伝後醍醐天皇筆)
9 新古今和歌集 上杉鷹山・伊佐早謙旧蔵 室町時代中期写 袋綴4冊
10 新勅撰和歌集 上 (伝後伏見天皇筆)
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11 新勅撰和歌集 下 鎌倉時代末期写 列帖装1冊 縦23.1、横15.2糎。表紙は萌葱色地に、金泥の霞引・草花下絵を描いたもので、楮素紙の見返しと共に後補。外題は無く、題簽跡も見られない。内題は「新勅撰和歌集巻第十一」。全20巻を上下に分写した内の下冊10巻分に相当する。 本文料紙は斐紙。1面9行1首2行を原則とするが、8行もしくは10行の部分あり。二筆による寄合書で、25丁ウ4行目より手が変わる。全12括で、墨付159丁(遊紙前2後3、166丁)。訂正・補入若干、訂正は第二の手の部分に多い。虫損のほとんどない美本ながら、第五括の一部8丁分が第8括に誤綴され、巻十四恋四の893〜904すなわち12首2丁分落丁、巻十六雑一の1078を脱す(目うつりか)等、書誌的な欠陥が見られる。精選本第四類定家自筆本の模本に近似し、奥 書・識語、極札・折紙などは付属しないが、書体と紙質から判断して、書写年代は鎌倉後期〜末期であろう。
なお新造の桐箱に「新勅撰和歌集 巻下 〈藤原定家撰/鎌倉末期古写本〉」と墨書、筆者は森銑三。しかし本自体には反町弘文荘の「月明荘」印を持たない。 |
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12〔定家卿百番自歌合・家隆卿百番自歌合〕室町時代末期写 袋綴1冊 縦28.7、横20.5糎。表紙は雲母にて亀甲花文を刷った灰色布目紙で改装されたもの。外題は無く、題簽跡もなし。 内題は「百番歌合 定家家隆両卿 左右略之」(巻首)、「百番歌合 定家卿自詠」(家隆卿百番自歌合の前)。書入・訂正少々。「百番歌合 定家家隆両卿」とあるも、『定家家隆両卿撰歌合』とは別で、標題の二作品が合写されている。見返しは本文共紙(元来遊紙であったか)で、本文料紙は楮紙。丁数18丁、遊紙なし。虫損跡著しいが、全て裏打修補が施されている。1面11行1首1行書。番数を歌頭に記す。極札などは付属しない。書写年代は、書風から推して室町時代の末期から江戸極初期か。 『定家卿百番自歌合』は数次の改訂を経て成立したことが確かめられており、現存諸本のほとんどはその最後の段階を示しているが、掲出本は古い形をとどめる本文を持ち、大変珍しい。
『家隆卿百番自歌合』は、40番右「さえ渡る」、88番右「月もよし」の二首を脱し、出典・詠作年次に関する注記を持たない。本奥書に「合点京極黄門禅門点也」と見えるが、合点は記されていない。定家、家隆各々が秀歌と思われる自詠200首を選び、百番の歌合にまとめたもの。当代一流の両歌人の、自己の作品に対する好尚を知る上で重要な資料である。巻末に「月明荘」の小印記があり、反町弘文荘の手を経たもの。帙外題に「定家家隆百番歌合/附家隆卿自歌合〈足利末期古寫/三条西家旧蔵〉」と墨書するのは、森銑三。旧蔵を示す印記・識語などは存しないけれども、種々の徴証から三条西家に伝来したと推される。 |
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13 時代不同歌合 南北朝時代後期写 列帖装1冊 縦24.5、横17.4糎。縹色紗綾形地に巻龍の金襴表紙。銀切箔を密に蒔いた見返し共々後補。外題は金泥下絵題簽に「時代不同歌合」と墨書、内題も同じ。料紙は斐楮交漉。1面8行1首2行書、字高は約22.5糎で、本の大きさに比べて見るに窮屈な観があり、修補の際に若干天地が切り落とされているか。全四括から成り、墨付70丁(遊紙前後各1、72丁)。奥書・識語等なし。巻末本文別手の薄墨で「すみ付七十枚」と書き付けがあるが、古筆家のものであろう。但し現在極札・折紙の類は付属しない。「月明荘」の小印あり、反町弘文荘の手を経たもの。重厚な木箱に収められており、箱蓋には金にて「時代不同歌合」と記す。 時代不同歌合は、後鳥羽院の撰。八代集の歌人100名を選び、各人3首合計30 0首を左右に分かって150番の歌合とする。左方に古い時代の、右方に新しい時代の歌人を配するので「時代不同」の名がある。なお300首中100首以上を後鳥羽院自ら撰した『新古今集』より採っている。
本文は前後二系統に分かれ、前稿本は文暦2年(1234)の、後稿本は嘉禎2年(1236)〜延応元年(1239)の成立で、掲出本は前者に属し、岩波文庫『王朝秀歌選』に翻字された書陵部本に近い。鎌倉期製作にかかる絵巻の類を別とすれば、同じく南北朝期書写の万里小路仲房筆本(静嘉堂文庫蔵)に次ぐ古さの伝本であろう。 |
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II 軍記と周辺 14 平家物語 零本 室町時代末期写 袋綴2冊
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15 平家物語 江戸時代前期写 袋綴12冊 原装紺地金泥下絵表紙(縦22.4、横21.6糎)。下絵は各冊図柄を替える。表紙中央に金霞引き斐紙題簽(縦15.2、横3.5糎)を押し、「平家物語 一(〜十二終)」と墨書(本文とは別筆)。見返し、金布目紙。料紙、斐紙。毎半葉10行21字内外。巻首に目録を付す。漢字平仮名交じりで、全巻一筆。巻十二に一方流覚一本系の特徴である「灌頂巻」の内容を持ち、章段の立て方・文言の異同等から流布本の一本としられるも、「灌頂巻」の標目はなく、「女院御しゆつけの事」から始めている。 「保元物語/平治物語/平家物語」と銀蒔絵銘のある塗箱に収めるが、現在『平家物語』のみが存する。 16 異本平家物語断簡 長門切(伝世尊寺行俊筆)
17 曾我物語 零本 室町時代末期写 袋綴4冊
18 曾我物語 蒔絵箱入 江戸時代初期写 袋綴12冊
19 曾我物語 (伝飯尾常房筆) 江戸時代前期写 列帖装12冊
20 八幡愚童訓断簡 (後崇光院筆) 室町時代初期写 1葉 ◎
21 御成敗式目 鎌倉時代末期写 袋綴1冊
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